ハルとツバメ

自分というフィルターを通して脚色した、物語的日記の世界。

夕焼けを見に 〜東大寺・二月堂〜

久々の晴れである。

今日は夕焼けを見に行こうと心に決めていた。

午後6時、夕飯を食べる。

少しのんびりとしてしまった。

家を出る頃には日の入り時刻となっていた。

家の前でオレンジ色の地平線を眺めながら東大寺二月堂へと向かう。

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東大寺境内にはほとんど人がいなかった。

だが二月堂には地元の方と思われる人がちらほら見られた。

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夕焼けをとるのに適切なカメラの設定について勉強しておいたつもりだったが、なかなかうまくいかない。

実際は薄暗く、低層がほんのり桃色、中層がねずみ色に染まっていた。

街の灯りがチラチラと光っている。

高い所は苦手なため膝がガタガタしている。

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二月堂の灯籠に灯りがついているところを見たのはこれが初めてだった。

オレンジ色の優しい光だ。

木の色ととてもよく合っている。

よくお世話になっている萬勝堂さんの文字を見つけて思わず写真に収める。

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↑空自体はこんな色。

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↑下の世界の明るさはこんな感じ。

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空が高い。

真上を見上げると半月があった。

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灯籠が並んでいる姿に不思議と懐かしさを覚える。

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二月堂を降りたところ。

下の景色はこんな感じ。

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言葉にならない空の美しさ。

↑こちらの空は実際の色に近い。

にしてもレンズがかなり汚れていたらしい💧

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上にどこまでも続く空。

闇は奥深い。

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帰る頃にはカエルが鳴き、コウモリが飛び交っていた。

社寺仏閣は昔ながらの風景が残り、心落ち着かせてくれる貴重な場所である。

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藍色の空を背景に浮かび上がる大仏殿や木々の墨汁色の影。

 

この夕闇の美しさをそのままにカメラに収めることはできなかった。

形や色や影を忠実に写せたとて、匂いや音や風を感じることはできない。

 

カメラが開発された時、それまで追い求められていた写実の価値が下がり、新たな芸術が生み出された。

それがマティスピカソに代表されるような絵である。

 

光と闇の狭間にたゆたうこの時間を写そうとした時、芸術家たちの思想に共感した。